参院選は20日投開票され、熊本選挙区に立候補する現職1、新人3の計4候補に有権者の審判が下る。全国32の改選1人区の一つ。自民党が衆参を通じた県内の選挙区の議席独占を維持できるか、野党が一角に食い込むかが焦点だ。

 立候補者は届け出順に、政治団体「NHK党」新人で会社員の立花勝樹氏(57)、自民党現職で元総務副大臣の馬場成志氏(60)、参政党新人で税理士事務所職員の山口誠太郎氏(36)、立憲民主党新人で元熊本県議の鎌田聡氏(60)。

 立花氏は「食品の購入支援や子ども食堂に予算を」と、障害者やシングルマザーら社会的弱者を意識した施策を打ち出した。

 総務副大臣や参院外交防衛委員長を務め、3選を狙う馬場氏は半導体関連産業の集積効果を高めるため「道路や港、空港などのインフラ整備を着実に進める」と訴えた。自公政権の安定が必要と強調した。

 山口氏は「一人一人が使えるお金を増やしていく」と、減税に加え、税と社会保険料を合わせた国民負担率の引き下げを主張。選択的夫婦別姓制度への反対や、国民自らが憲法を作り直す「創憲」を掲げた。

 事実上の野党統一候補の鎌田氏は「一部の人のみが得をする政治を変える」と、自民が議席を独占する県内の政治状況の打破を訴えた。遊説で食料品の消費税ゼロやガソリン税の暫定税率廃止をアピールした。(樋口琢郎)

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