現在のトルコ中央部に当たる地域で、約5300年前に直径100メートルにおよぶ巨大な円形建造物があった可能性があるとの研究成果を、ノートルダム清心女子大などのチームが25日までに発表した。人類初とされる都市が古代メソポタミア(現在のイラク)に出現したのと同時期に、別の場所で異なる都市社会があったことを示唆するものだとしている。
チームはトルコ中央部のキュルテペ遺跡で、紀元前3300年ごろの大規模な建物跡を発見。壁がジグザグ形に連なる特徴的な設計で、建物内には土器が埋められていた。全体は直径約100メートルの巨大建造物である可能性があるという。
上の層には、紀元前2500〜同1700年ごろの、別の建造物の跡が見つかっている。紺谷亮一・同大教授は「極めて古い時代からエリート層の居住域だった可能性がある」と話した。
遺跡の発掘は2015年から開始、21年に建物跡が見つかった。24年にはその東側に、北に延びるとみられる壁の角の部分を発見。周囲で発掘された痕跡などから、全体が円形になっている可能性が浮上した。