1960年から東京・銀座で営業を続けてきた映画館「丸の内TOEI」が27日に閉館した。映画会社「東映」の直営館で、65年にわたってファンに愛されてきた。

 午後8時ごろ、最後の上映回の観客の見送りが終了。同館の前で東映の吉村文雄社長が「銀座の地で皆さまにかわいがっていただき、ありがとうございました」とあいさつすると、集まった映画ファンから「東映、愛してるぞ!」などの歓声と大きな拍手が沸いた。

 同館は東映本社オフィスも兼ねた「東映会館」内で営業。建物や設備の老朽化で取り壊しと再開発が決まり、閉館となった。本社機能は既に東京・京橋の複合施設に移転している。

 今年5月からは閉館企画の特集上映「さよなら 丸の内TOEI」を開催。27日の最後の回は、高倉健さんと吉永小百合さんが出演した映画「動乱」などを上映した。

 上映前のイベントには吉永さんが登壇。「今日はこの空の上で、(『動乱』の)高倉さんも、森谷司郎監督も、岡田裕介プロデューサーも見守ってくださっていると思います」と語り、同館との別れを惜しんだ。