コカ・コーラが、新たに砂糖で甘みをつけたコーラをラインナップに加えることを発表しました。

しかし、これは栄養学的に見て、従来のコーラと何ら変わるものではありません。少なくとも、気にするほどの違いはないのです。

砂糖とコーンシロップの違いは、何十年もの間、健康志向のインフルエンサーたちが過剰に注目してきたテーマです。

そして今や、保健福祉長官までが「砂糖たっぷりのコーラを提供するハンバーガー店は、アメリカを再び『健康』にする計画の一部だ」と投稿する時代になりました。

実は、従来のコカ・コーラは「高果糖コーンシロップ(HFCS)」で作られており、これは(ほとんど不当に)悪い評判を受けてきました。

健康的な食事への過剰なこだわりは、今や一部の保守的な政治思想と結びつき、「正しい」フライドポテトと一緒に「正しい」ソーダを飲みたいと考える、保守的な市場セクターまで生み出しているのです。

そもそも「高果糖コーンシロップ」って何?砂糖とどう違うの?

もしコーラに「砂糖が戻ってくる」のなら、以前は何が入っていたのでしょうか?答えは、高果糖コーンシロップ(HFCS)です。

これは砂糖とほぼ同じ成分なのですが(違いはすぐに説明します、ご安心を)、健康的・非健康的な食品について語りたがる人々の間で、一種の「悪者」扱いされてきました。

確かに、HFCSの摂りすぎは避けるべきですし、それを含む食品は「超加工食品」である傾向があります。

HFCSの大量摂取と健康リスクの高さには、簡単に関連性を見出すことができるでしょう。しかし、それはごく普通の砂糖でも全く同じことが言えるのです。

ソーダの中には砂糖を甘味料として使うものもあれば、HFCSを使うものもあります。主な違いはコストです。

HFCSの方が安いため、コカ・コーラやペプシのような巨大企業は、特別な理由がない限り、安い方を選ぶのが基本です。

健康への影響は?「砂糖だから安心」は本当か

砂糖が体に良くない、という点については、おそらく誰もが同意するところでしょう。

砂糖は毒ではありませんが、栄養素を含まない「エンプティカロリー」であり、摂りすぎると、健康な食事に必要なタンパク質、食物繊維、ビタミンなどの摂取を妨げます。

「砂糖入り飲料(SSB)」の健康への影響に関する研究は山ほどありますが、皮肉なことに、その研究対象の多くはHFCSで甘みがつけられています。なぜなら、研究の世界ではこれらは「基本的に同じもの」として扱われているからです。

中には「果糖こそが悪者だ」と主張する人もいますが、先ほど述べたように、砂糖も半分は果糖です。もし果糖を恐れているなら、「高果糖コーンシロップ」という名前は恐ろしく聞こえるかもしれません。

でも、実際には砂糖と比べて果糖が特別多いわけではないのです。

数字で見る「健康への影響」のホントのところ

砂糖がHFCSより体に良いと主張する人々が指摘するのは、果糖の含有量がわずかに高いという点です。

確かに、HFCS-55の果糖は55%、砂糖(ショ糖)は50%です。しかし、仮に果糖がブドウ糖より少し体に悪かったとして、この5%の差が健康を左右するほど、私たちは砂糖を摂取しているのでしょうか?

世界保健機関(WHO)は、1日のカロリーの5%以下を「遊離糖類」(添加糖とほぼ同じ)から摂るよう推奨しています。

1日2000キロカロリーを摂取する人なら、100キロカロリー、つまり25グラムです。アメリカのガイドラインはもう少し緩やかで、5%から10%未満(1日あたり約100〜200キロカロリー、25〜50グラム)を推奨しています。

コカ・コーラ1本(16.9オンス/約500ml)には、砂糖で作られていようとHFCSで作られていようと、この上限をわずかに超える55グラムの糖分が含まれています。

仮に、このコーラを1本飲んだとしましょう。

  • HFCS入りコーラ: 果糖の摂取量は 30.25グラム
  • サトウキビ糖入りコーラ: 果糖の摂取量は 27.5グラム

その差は、わずか3グラム未満。この程度の差が、健康に決定的な影響を与えると思いますか?

では、1日に10本飲んだらどうでしょう?その場合、砂糖入りコーラに比べて27.5グラム多く果糖を摂取することになります。

確かに差は大きくなりますが、この場合の問題は糖の種類ではなく、1日にコーラを10本も飲んでいること自体です。

それは1日で550グラム、2,200キロカロリーもの糖分を摂取していることになり、小柄な人ならそれだけで1日分のカロリーに相当します。

なぜコカ・コーラは今、砂糖入りを出すのか?

たった3グラム、あるいは30グラムの差なんて、誰も気にしません。コカ・コーラ社が砂糖入りコーラの計画を発表したときも、顧客の健康を心配しているとは一言も言っていません。

むしろ、同社は「砂糖入り」と大々的に謳ったコーラなら人々がお金を払うと聞きつけ、そのお金が欲しいだけなのです!

同社の発表はこうです。

「継続的なイノベーション計画の一環として、この秋、米国でサトウキビ糖を使用した製品を発売し、コカ・コーラブランドの製品範囲を拡大する予定です。この追加は、当社の強力なコアポートフォリオを補完し、さまざまな機会や好みに応じてより多くの選択肢を提供することを目的としています」

コカ・コーラのCEOは、決算説明会でさらに素直に語っています。

「消費者の好みがある限り、利用可能な甘味料の選択肢をすべて活用することを間違いなく検討しています」

つまり、コカ・コーラは従来の製法を変えるのではなく、単に新しいバリエーションを追加するだけ。

既存のラインナップには、ダイエットコーク(アスパルテーム使用)、コークゼロ(アスパルテーム+アセスルファムK使用)、コカ・コーラ・クラシック(HFCS使用)があり、そこに名前は未定ですが、サトウキビ糖を使った新商品が加わるのです。

これは、人々が買うと思うものなら何でも提供するという、コカ・コーラの戦略にぴったり合致します。

ダイエットコークとコークゼロの両方を提供する合理的な理由はありませんが、2つのドリンクはブランドイメージがわずかに異なり、味も少し違うと言う人がいる限り、ビジネスとして成り立つうちは両方を売り続けるでしょう。

かつて同社が初代ダイエットコーラ「タブ」を、ダイエットコークと並行して2020年まで販売し続けたのと同じです。

灯台下暗し?実は昔からあった「砂糖入りコーラ」

この記事の最大のオチは、コカ・コーラが以前からずっと砂糖入りのコーラを販売していたという事実です。

市場によっては、春になると黄色いキャップのコカ・コーラボトルを見かけることがあります。これはユダヤ教の過越祭(パスオーバー)向けのコーラで、トウモロコシが穀物と見なされるため、コーンシロップの代わりに砂糖で作られているのです。

さらに、一年中手に入る「メキシココーラ」も忘れてはいけません。ガラス瓶で輸入されているこのコーラも、コーンシロップではなく砂糖で作られています。

砂糖入りコーラは味が違うと言う人もいますが、私自身が両方を飲み比べた限りでは、違いは分かりませんでした。

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Source: X, NEDA