40代ママのAさん(神奈川県)は、周りのママ友たちが、子どもの家庭教師やパーソナルトレーナーと、まるで恋人のような疑似関係に満たされているという話を最近たて続けに聞く機会がありました。誰も傷ついていないなら問題ないのかもしれません。しかし、それが許される関係かどうかの見極めは、どこでつくのでしょうか。
「彼、私のこと本当に信頼してるの」ですって?
「母親のような気持ちで接しているだけよ」。Aさんに最初にそう話したのは、小学5年生の息子さんを持つ、40代のママ友Kさんです。Kさんが息子の家庭教師として雇ったのは、地方から上京し、一人暮らしをしている22歳のイケメン大学生。週に2回、2時間ずつ勉強を見てもらう契約でした。
もちろん、算数が苦手な息子さんの成績アップが目的です。勉強が終わると夕食をふるまいます。唐揚げ、肉じゃが、ハンバーグ、若い青年が好みそうなメニューです。一人暮らしで、日ごろから栄養バランスが乱れがちな大学生を思い、張り切って夕食を提供します。
「いつもコンビニばかりだから、嬉しいです」
「誰かとお腹いっぱい食べるって良いですね」
そんな風に感謝されれば、心も動かされるのも無理はありません。Kさんは大学生活の悩みや将来の不安を打ち明ける大学生の話を親身に聞き、アドバイスを送り、食べるものに困っていると聞けば作り置きの総菜を持たせ、「ちょうどいいから」と夫の着なくなった服を渡す始末。もはや母親のような気持ちというより、彼を支えるパートナーのような立場に入り込んでいきました。