伊予灘の夕日とともにビールを楽しんでみては――。JR四国が運行している「夕焼けビールトロッコ」が今年も始まった。

 ビールトロッコは、松山駅(松山市)と伊予長浜駅(愛媛県大洲市)間を往復で運行。トロッコの乗車中はビールをはじめ、県産素材を使った郷土料理の弁当や、河内晩柑サワーなどが飲み放題で提供される。

 窓がなく開放感あふれるトロッコ車両は、山の木々や、伊予灘の潮風を直接肌で感じられることが最大の魅力だ。自然をたっぷり浴びながら、料理や酒に舌鼓を打ち、時折飛んで入ってくる虫や枝に驚きながらも楽しい時間を過ごすことができる。

 運行初日の19日は47人が乗車。天候にも恵まれ、沈んでいく夕日が伊予灘を照らす風景を乗客たちは写真に収めるなどして楽しんでいた。毎年乗車しているという会社役員の女性は「景色が良く、最高においしいお酒が飲めます。トロッコ列車が通る度に、地元の人たちが手を振ってくれるのもうれしい」と笑顔で語った。

 ビールトロッコは、1998年に通常車両で「ビール列車」として運行を開始したのが始まり。2001年からトロッコ車両を利用し、今年で28年目となる。毎年人気となっており、今年は既にチケットは完売となった。

 ビールトロッコで使用している車両は、徳島駅(徳島市)から阿波池田駅(徳島県三好市)間の徳島線を運行している観光列車「藍よしのがわトロッコ」の車両を使用している。徳島では8月23日以降の土日祝日を中心に観光列車として運行する予定で、トロッコ列車を楽しむならこちらもおすすめだ。

 「藍よしのがわトロッコ」の問い合わせはJR四国案内センター(0570・00・4592)まで。【田中祐子】