沖縄県今帰仁(なきじん)村で25日、テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業した。肉食恐竜に追われるような体験ができる「ダイナソーサファリ」など、沖縄本島北部の森を舞台に22のアトラクション(ショーなどを含む)や温浴施設を楽しめる。沖縄観光の新たな目玉として注目される。
この日は時折、激しい雨が降る中、話題の施設をいち早く楽しもうと県内外から来場者が訪れた。熊本県の古川佐和子さん(63)は、大阪府に住む恐竜好きの7歳と5歳の孫と沖縄で合流し、訪れた。ジャングリアの情報を調べて雨具も用意しており、「雨の中でも楽しみながら回りたい」と笑顔を見せた。
人気のアトラクションでは長い待ち時間が発生し、体験を諦めた人も。2歳と8歳の子どもたちと訪れたさいたま市の鈴木文章(ふみあき)さん(40)は木々の中で恐竜を探し歩くアトラクションを楽しんだが、「ダイナソーサファリ」などは待ち時間が長く諦めた。「北部観光は沖縄美(ちゅ)ら海水族館が有名だが、これからはジャングリアも加わる。今はまだやや割高感があるが、これから良くなっていくと思う」と期待した。
総事業費は約700億円。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)の再建で知られる森岡毅氏が率いるマーケティング会社「刀」(大阪市)が手がけた。
約60ヘクタールの広大な敷地には、「恐竜」が登場するアトラクションの他、オフロードコースでバギーを運転できる「バギーボルテージ」や森に張られたロープをつたって滑空する「スカイフェニックス」などがある。
24日夜にあった前夜祭で森岡氏は「大成功は要らない。ジャングリアを確実に、堅実に『離陸』させたい。課題を解決しながら一つでも多くの笑顔をつくれるようなパークに皆で育てていきたい」と語った。【喜屋武真之介、比嘉洋】