世界一のスタートアップ企業を選ぶ技術・サービスコンテストの「スタートアップワールドカップ2025」東京予選が18日、グランドハイアット東京(東京都港区)で開かれた。スタートアップ11社が登壇し、暗号化されたままの機密データをAIで解析できるAcompany(アカンパニー、名古屋市)が優勝の栄誉を勝ち取った。
世界決勝で100万ドルをかけたピッチに
同社は、企業や自治体が取り扱う機密性の高いデータを、安全かつ柔軟に活用できる環境が高評価を得た。高橋亮祐CEO(最高経営責任者)は「素晴らしい会社ばかりで、本当に最後までドキドキだったが、本当に優勝できてよかったと思っている。世界でも勝てるように頑張っていきたい」と語った。
同社は各地区予選の優勝企業とともに、10月に米サンフランシスコで開かれる世界決勝大会に日本代表として出場。優勝賞金100万ドル(約1億5000万円)を懸けて世界の強豪と競い合う。
2位はロケットの開発・製造・打上げサービスを手がけるインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)、3位はタクシーのシェア乗りサービスを提供するNearMe(東京都中央区)。「スタートアップ・オブ・ザ・イヤー2025」には、タクシー配車・料金決済サービスのGO(東京都港区)が選ばれた。
今年は九州・東京・東北の3会場にて予選を実施し、8000人以上の投資家や企業関係者らが会場やオンラインで参加するという。
平デジタル大臣、小池都知事が激励
併催のパネルディスカッションに登壇した平将明デジタル大臣は「人口減少下で経済を伸ばしていくための生産性の向上と新たな付加価値の創出、さらには社会課題の解決などで、スタートアップ企業が果たす役割は大変大きい」と激励した。
小池百合子東京都知事も「東京都は世界を志す挑戦者を全力で応援している。みんなの力で東京から大きなイノベーションを巻き起こしていこう」とのビデオメッセージを寄せた。
会場ではスタートアップ展示ブースも併設され、全国から集まった技術・製品を紹介。ネットワーキングパーティーでは、来場者と登壇者が活発に交流した。
日本発イノベーションの登竜門
スタートアップワールドカップは、米シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるペガサス・テック・ベンチャーズの主催で、今年が7回目。世界100以上の国と地域で予選が実施され、年間3万社超の応募がある世界最大級のスタートアップコンテスト。
ペガサス・テック・ベンチャーズは、世界40社以上の大企業から出資を受け、米国や東南アジアを中心に270社超のスタートアップに投資実績を持つ。本大会は、日本発イノベーションの世界進出を後押しする登竜門となっているという。
文・写真:糸永正行編集委員
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