六本木駅42.3mの深さの謎
日本の地下鉄駅で「最も低い駅」としてよく話題に上がるのは、都営大江戸線の六本木駅だ。地表からの深さは42.3mである。ただし、これはあくまで地表からの深さを指す。地形散歩ライターの内田宗治氏による著書『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)では、六本木駅は台地上に建設されているため、地表からの深さでは最も低いが、海抜では麻布十番駅(地表から32.5m)の方が低いと指摘している。
一方、東京の地下鉄駅で「最も高い駅」は、地上から14.4mの高架上にある日比谷線の北千住駅である。

海抜マイナス29.19m「東京駅」の低さ
東京には地下鉄だけでなく、かつて国鉄(現・JR)で「最も低い駅」も存在していた。総武本線の馬喰町駅である。
馬喰町駅は1972(昭和47)年に開業し、海抜マイナス30.58mだった。この低さをアピールする駅スタンプがあるほか、JRで最も高い駅である長野県の小海線・野辺山駅との縁から、シラカバ製のオブジェも設置されている。
しかし後に海抜はマイナス27.14mに修正され、さらに低い駅の開業で最も低い駅の座を失った。
現在の最も低い駅は京葉線の東京駅で、海抜マイナス29.19mに位置する。ただし、2014(平成26)年まで存在した青函トンネル内の吉岡海底駅(海抜マイナス149.5m、通常は乗降不可)に比べれば浅い。