世界最大旅客機の全貌
技術革新により、飛行機はますます大型化している。世界最大の航空機は意外にも私たちの身近に存在している。
旅客機として最大なのはエアバス A380だ。現在も運航されている超大型機で、搭乗可能な乗客数は歴代最大を誇る。全席がエコノミークラスの場合は最大853人が搭乗可能だ。一般的な4クラス編成でも500人以上を収容できる唯一の旅客機である。
サイズは全長73m、全高24m、翼幅は79.8mに及ぶ。ダブルデッキ(2階建て)の構造で、総床面積は550平方mに達する。航続距離は約1万4800kmで、約17時間の長時間飛行が可能だ。
生産は2003年前後に始まった。技術的課題を克服しつつ、2007年から2021年にかけて251機を納入した。主な購入航空会社は全日本空輸(ANA)、アシアナ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、エティハド航空、大韓航空、ルフトハンザドイツ航空、カンタス航空、カタール航空、シンガポール航空など14社に上る。特にエミレーツ航空が最多の機体を購入した。
開発費は約250億ドル(約3兆6640億円)に達したが、回収は困難だったとみられている。全機がA380-800型で、計画された他モデルは製造されなかった。生産は既に終了している。
空港を利用する人であれば、エアバス A380を目にした経験がある可能性は高い。今後空港を訪れる機会があれば、ぜひ探してみるとよいだろう。
An-225の歴史と未来
エアバス A380は乗客数で最大の飛行機だが、最大離陸重量(燃料、乗客、貨物、搭載物などすべてを含んだ総重量)は575tで世界第2位にとどまる。最大離陸重量で世界最大の飛行機は、ソ連時代に開発されたAn-225 ムリーヤで、640tを誇る。機体重量285tも世界一である。