環境省は15日、奄美群島国立公園の特別地域に指定されている奄美市笠利の市道沿いで、珍しい昆虫の採集目的とみられるわな計15個が無許可で設置されていたと発表した。特別地域で県の許可を得ず、わななどの工作物を設置するのは自然公園法に違反し、罰金や懲役が科されることがある。

 一帯は蒲生崎観光公園周辺で、第2種特別地域内。奄美市職員が6日夕、網にバナナが入ったわなを見つけた。同省職員が7日、市道沿いの木の上2〜10メートルに12個を確認。わなを外して警告書を付けたが、8、9両日にも新たなわなが計3個設置されていた。

 特別地域外にあたる周辺でも同じ形状のわなが約30個見つかっており、同省は本格的な道具を使って珍しい昆虫をおびき寄せようとしたとみている。奄美署に通報した。設置者は分かっていない。

 同省の山本以智人・国立公園保護管理企画官(42)は「警告しても繰り返し設置されたのは初めてのケースで、わなの数も多い。関係機関と連携してパトロールや啓発に取り組む」と述べた。