ニデックドライブテクノロジー(京都府向日市、辻田穣治社長)は、モーターコア加工用プレス機「TVXシリーズ」で加圧能力や金型取り付け面積が最大となる新機種を開発し、16日に発売する。電気自動車(EV)駆動モーターコア用プレス金型の大型化に対応した。プレス機を上下させるスライドは、支えとなるプランジャーを従来の最大4本から同5本に増設。大型金型でもバランスが崩れず、高精度に加工できる機種として提案する。

新開発の「TVX―4000―430=写真」は、加圧能力を従来比700キロニュートン増の4000キロニュートン(約400トン)に拡大。下型を取り付ける台(ボルスター)の寸法は、3700ミリ×1200ミリメートルが最大だったが、新機種は4300ミリ×1200ミリメートルとした。上型・下型合わせて計14トンの金型を搭載できる。価格は非公表。

EVでは電動駆動装置「イーアクスル」の性能向上や軽量化、航続距離延伸などを目的に、モーターコアの形状が複雑化しているという。また生産性向上のため多列取りのニーズもあり、金型サイズが大型化している。

プレス機のストローク長さは30ミリメートルと40ミリメートルから選べる。SPM(1分当たりのスライドの上下回数)は100―300。16日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する塑性加工技術の総合展示会「MF―TOKYO2025」でパネル・動画で初披露する。

また同展示会では、SPMが3000の電子部品向け高速リンクプレス機「SX―8―360」を初披露するほか、ドイツで先行発売したインラインの切断溶接・画像検査システムも日本初披露となる。

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