琴栄峰央起(22歳・佐渡ケ嶽部屋・前頭17枚目)
尊敬する兄貴に追いつけ、追い越せ──。
幕内で活躍する琴勝峰の実弟。幼少期に兄の誘いで相撲を始め、同じ埼玉栄に進学。当然、兄と同じ佐渡ケ嶽部屋に入門した。
「もともと高卒でプロに入るつもりはなかったようです。当時は今以上に体が細く、これといった実績にも乏しかった。おそらく、何事もなければ大学に進学し、そこで相撲を続けながらプロへの道を探っていたのではないか」(タニマチ筋)
そんな琴栄峰の転機となったのが、4歳上の兄の活躍だ。琴栄峰が14歳の時、兄が佐渡ケ嶽部屋に入門。前相撲から始め、2年目には幕下、3年目に十両、4年目に新入幕と順調に出世を重ねた。
「それを見て『自分もプロで戦いたい』と思いが強くなったそうです。さらに高校3年時の10月に行われた高校相撲金沢大会で個人優勝。初の全国タイトルを手にしたことで自信を深めた」(同)
前相撲から所要4場所で幕下に上がると、入門3年目に十両、4年目の今場所で新入幕。兄と同じスピードで出世階段を駆け上がっている。
「スケールが大きい相撲が持ち味の兄(190センチ、167キロ)と異なり、相手の懐に入って一気に走る相撲が持ち味。課題は大きな相手への対処法。いかに胸を合わさず、得意の形で勝負できるかが今後は重要になってくる」(若手親方)
必見は全力士中、最も美しいといわれる四股踏み。地面とほぼ垂直、180度近く股を開き、頂点で3秒止めてから土俵を踏む。これは師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の発案。「プロはそうやってお客さんを喜ばせるのも大事」という理由だ。 (随時掲載)
▽琴栄峰央起(ことえいほう・ひろき)
●本名は手計太希
●2003年、千葉県柏市出身
●184センチ、140キロ
●最高位は現在
●芸能人のいとうあさこに似ていることは自分でも認めている