<大相撲名古屋場所>◇13日目◇25日◇IGアリーナ

西前頭4枚目の玉鷲(40=片男波)が、小結高安(35=田子ノ浦)を押し出し、9勝目を挙げた。

両ベテランにとって41回目の対戦となり、玉鷲の20勝、高安の21勝となった。これを知った玉鷲は「あと1歩ですか。くそ〜」と言いつつも「本当に良かったです。高安が頑張る姿は、こちらも元気になる」と、長年にわたる対戦を喜んだ。

「高安とたくさん稽古して、何回も相撲を取ってきた。2人の取り口も見えた感じがする。でも、向こうは若いですよ。5歳も若い。一緒のように言っている場合じゃない」と苦笑いもした。

すると突然「時代が変わっています。新しい時代。前は伯桜鵬。今は安青錦、草野」。「まだ玉鷲時代では?」と話を振られると「終わりです。7世代くらい前」と謙遜した。

ひとしきり話し終えると、近くで帰り支度をしていた王鵬に向かって「いい相撲取ったね。見本にして頑張る」と声をかけた。王鵬はにっこり笑って、帰路に就いた。

玉鷲は「分かち合うから楽しい。…。いいこと言った。本読んだから」と言って、支度部屋を後にした。