【森田のりえ通信員】玉城流冠千与の会(与那嶺恵子会主)は6月28日、米カリフォルニア州トーランス市のアームストロング劇場で40周年記念公演「冠千ぬ道照らし」を開催した。琉舞や地謡で出演するため同州だけではなく沖縄やハワイ、アリゾナ、テキサス州などからも参加があり、500人の観客席はいっぱいになった。

 金武町出身の与那嶺会主は1984年1月に渡米。多くの人々の要望を受け、まもなくサンディエゴ郡のオーシャンサイド市に稽古場を開いた。それ以後、ハワイ、アリゾナ、テキサスと各地に琉舞道場を設け、一時期は50人を超える大所帯になった。

 師範のジョセフ西門さんはじめ教師、認定、最高賞、優秀賞、新人など多くの優秀な門下生を輩出。米国での沖縄伝統芸能の継承と発展に寄与している。

 公演では、北米沖縄県人会事務局長の山内優子さんが日米両語とウチナーグチを交えた軽妙な語りで司会を務めた。

 古典音楽「かぎやで風」で幕開け。優雅な舞や空手の動きを取り入れた踊りのほか、習い始めたばかりの子どもたちが懸命に踊る場面も。最後は創作舞踊「冠千の舞」が披露された。

 地域社会に貢献し沖縄の文化を未来の世代へと引き継いだ功績をたたえ、トーランス市長から与那嶺会主へ感謝状が贈られた。

(写図説明)「かぎやで風」を踊る(前列右から)師範のジョセフ西門さん、会主の与那嶺恵子さん、教師の島美恵子さん、教師の当銘亜希子さん=米トーランス市