誰もが一度は耳にしたことがある、夏の名曲・久石譲「Summer」。北野武監督作『菊次郎の夏』(1999年)のメインテーマとして誕生して以来、数多くのCMや映像作品を彩り、日本の“夏の原風景”として、多くの人々の記憶に刻まれてきたこの楽曲が、短編映像として作品化された。

 本作の監督を務めるのは、映像作家・三本菅悠(さんぼんすげ・ゆう)。舞台は、来春に廃校が決まっている西伊豆の高校。物語は、校内放送部に所属する生徒たちが「最後の夏」に挑む青春の記録だ。「何かを残したい」「この時間を刻みたい」――そんな想いが交差するなか、日常の何気ない風景が、「Summer」の旋律とともに、美しく紡がれていく。

 物語の中心を担うのは、放送部に所属する4人の高校生たち――島田裕仁(ユウト)、石田莉子(リコ)、月山鈴音(リオン)、松崎淳平(ジュンペイ)。それぞれが「最後の夏」に向き合いながら過ごす日々は、瑞々しくも切ない青春の一瞬を映し出していく。

 さらに、高校の先輩役として、総フォロワー数650万人を超える次世代クリエイターユニット「午前0時のプリンセス」(通称:ぜろぷり)の聖秋流(せしる)が出演。その佇まいが、物語にもうひとつの軸となる深みを与えている。

 本編ではあえてせりふを排し、音楽と映像、俳優たちの表情だけで物語への想像を膨らませていく演出を採用。そして、久石譲公式YouTube Shortsをはじめ、InstagramやTikTokで順次公開される縦型ショート動画「Our Summer」では、本編の“答え合わせ”や“もうひとつの解釈”が語られていく。視聴メディアを横断しながら展開される、立体的かつ複合的な映像体験を提供する。