俳優の堤真一と山田裕貴がダブル主演を務めた映画『木の上の軍隊』(公開中)の制作舞台裏に迫る、貴重なメイキングドキュメンタリーが公開された。

 1945年、沖縄県伊江島で激しい攻防戦が繰り広げられる中、2人の日本兵が木の上に身を潜め、終戦を知らぬまま2年間生き延びた――という衝撃の実話から着想を得た同名舞台を、沖縄出身の平一紘監督が映画化。

 6月から先行公開された沖縄では、初週の金土日の週末動員でNo.1を獲得。評判が評判を呼び、2週目以降もスターシアターズ系4劇場で週末動員5週連続No.1(※劇場調べ)を記録するなど、大ヒットとなった。そして満を持して、7月25日より全国公開がスタートした。

 堤は、宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄役を、山田は沖縄出身の新兵・安慶名セイジュン役を演じる。撮影は約1ヶ月にわたり全編沖縄ロケで行われ、その多くが舞台となった伊江島で撮影された。

 公開されたメイキング映像は、堤と山田がクランクイン前に安全祈願を行い、髪を剃る場面から始まる。堤が「(丸刈りにするなら)あんなでっかいシャンプー持ってくるんじゃなかった」と冗談を飛ばす場面も映し出され、和やかな雰囲気が伝わってくる。

 撮影に入る前、実際に兵士たちが身を隠した“ニーバンカズィマール”を訪れた2人。2023年の台風で一度倒木も経験しているガジュマルの木を前に、言葉を失う様子も記録されている。また、堤が演じる山下のモデルとなった山口静雄さんについて、堤は「父の名前が“静雄”で字も同じ。山下は母の旧姓」と語り、運命的な巡り合わせに驚きを隠せなかったという。