東京・銀座にある東映最後の直営映画館「丸の内TOEI」が、東映本社の入る東映会館の再開発に伴い、この7月27日に閉館する。丸の内TOEIは、1960年9月に竣工した東映会館で、「丸の内東映」と洋画封切館「丸の内東映パラス」としてオープン、以来、自社作品の興行やイベントのみならず、銀座地区、ひいては映画業界全体の盛り上げにも寄与してきた。閉館決定の発表後は、映画業界だけでなく当劇場と映画を愛する多くの人々から、惜しむ声、感謝の声が送られているという。閉館にあたり、同社内各部署を横断したメンバーによる全社プロジェクトとして、現在「さよなら 丸の内TOEI」が開催されており、時代劇、任侠映画、文芸作品、アニメなど、往年の名作から話題作まで、同劇場のスクリーンを彩ってきた100を超える作品が特別上映されている。

今回「さよなら 丸の内TOEI」を立ち上げたプロジェクトメンバーに映画ライターのよしひろまさみち氏がインタビューを行い、いかにしてこのプロジェクトを立ち上げ運営したかなどの舞台裏について伺った。( ②はこちら )

東映株式会社 映画宣伝部 所属
“さよなら 丸の内TOEI ” プロジェクト
クリエイティブ関連 担当

櫻井 傑

――櫻井さんも初期からのメンバーですよね?

そうです。元々映画館という空間が好きで、学生時代はよく単館・ミニシアターのシネマ・ジャック&ベティさんや新宿武蔵野館さんに通っていました。だからこそ丸の内TOEIがなくなることはかなり驚きでした。自分たちの会社の社屋、そしていつでも行ける映画館だった場所がなくなるなら、「これを上映したい」「あの方をお呼びしたい」といった話が飲み会で盛り上がったんです。