Yantoultra Ngui Xinghui Kok

[シンガポール 25日 ロイター] - シンガポール政府系ファンドのシンガポール投資公社(GIC)は25日、主要な業績指標である20年間の年率換算実質運用利回りが2025年3月末までの年度で3.8%と5年ぶりの低水準にとどまったと発表した。24年度の3.9%をやや下回り、20年度の2.7%以来の低さだった。ただ、トランプ米大統領の政策を巡る不確実性があるにもかかわらず、米経済に対して引き続き前向きな見通しを維持している。

政府系ファンド研究所によると、GICは推定8008億ドルの資産を運用しており、シンガポール金融管理局(MAS)や国営投資会社テマセクとともに、シンガポールの国家準備金を管理する3つの機関のひとつだ。

テマセクは今月初め、純ポートフォリオ価値が前年比11.6%増の4340億シンガポール・ドルと過去最高になった発表した。

GICは1年単位の実質運用利回りや正確な運用資産規模を公表していないが、リム・チョウ・キアット最高経営責任者(CEO)は3.8%という20年間の実質運用利回りが「非常に立派な数字だ」と述べた。

リム氏はロイターに「米国は民間部門が非常に強い」と語った。「バランスシートは健全で数多くの技術革新を次々と生み出し続けている。非常に革新的な企業が多い。そのため全体像を見れば、ファンダメンタルズは掛け値なしに前向きだと言えるだろう」