[ドバイ 30日 ロイター] - イラン指導部に近い新聞が国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長がイスラエルの情報機関モサドと関係があるとし、イランに入国したら死刑判決にすべきだと主張したことを受け、フランス、ドイツ、英国の外務省は30日、「グロッシ氏に対する脅迫を非難し、任務遂行を全面的に支援する」との声明を発表した。

「イラン当局に、IAEAとの協力を停止するいかなる措置も控えるよう求める。IAEAとの全面的な協力を再開し、IAEA職員の安全確保する措置を取るよう強く求める」と述べた。一方、イラン側はIAEA査察官の安全を保証することは現時点では難しいとの姿勢を示している。

グロッシ氏は新聞の主張には直接反応せず、IAEAの査察官がイランの核施設にできるだけ早く戻れるようにすることが最優先課題だと述べた。イラン当局は新聞の主張に関する支持を公には表明せず、イランのイラバニ国連大使は、グロッシ氏への脅迫については否定した。

イラン国営メディアによると、イランのペゼシュキアン大統領は30日、マクロン仏大統領との電話会談で、IAEAの対応に不満を示した。イランのアラグチ外相も、グロッシ氏はイランでは歓迎されないとこれまでに述べている。