Samia Nakhoul

[ドバイ 8日 ロイター] - トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が7日に行った会談では、イラン攻撃の「輝かしい成功」が喧伝(けんでん)された。ただ両者が誇示した結束の裏には、イランやパレスチナ自治区ガザ、そして中東全域の最終的な政策目標を巡り、異なる思惑が隠されていた。

両首脳ともに先月のイラン核施設攻撃の成果を誇り、イランの核兵器保有計画を後退させたとアピールした。

だが情報機関の調査でイランはなお濃縮ウランを秘匿し、核施設再建能力を保持していることが分かっており、トランプ氏とネタニヤフ氏はいずれも今回の勝利が戦略的というより一時的な側面が強いことを承知している、と2人の外交官は話す。

これらの外交官によると、両者の見解が分かれているのはイランに対してさらに圧力を強める方法だ。トランプ氏は外交優先に傾いており、イランの核兵器開発を阻止するという限定的な目標を追求しようとしている。

対照的にネタニヤフ氏は力の行使をより重視し、必要なら体制転換に至る段階まで踏み込んで、イスラエルが脅威とみなすウラン濃縮計画自体をイランに放棄させる根本的な譲歩を迫りたい考えだ、とネタニヤフ氏の考えに詳しい関係者が説明した。

トランプ氏とネタニヤフ氏の意見は、ガザ情勢でも食い違っている。

国際的な和平をもたらす政治家というイメージを広めたいトランプ氏は、ガザにおけるイスラエルとイスラム組織ハマスの新たな停戦を働きかけているが、戦後の取り決めに関する全体の輪郭はなお定まらず、着地点は見えてこない。