Dan Peleschuk

[キーウ 22日 ロイター] - ウクライナ政府・議会が汚職対策機関への規制を厳格化し、独立性を制限する動きを強めている。汚職対策は欧州連合(EU)加盟の条件で、西側諸国の支援を得る上でも重要であることから影響が懸念される。

ウクライナ議会は22日、大統領によって任命された検事総長に、国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察庁(SAPO)に対する厳しい管理権限を与える法案を可決した。複数の議員が明らかにした。

採決を受け、両機関のトップや欧州連合(EU)高官は厳しく批判し、ウクライナ各地では抗議デモが起きた。

前日には政府の治安当局がロシアとの関係を巡る容疑でNABUの職員2人を拘束するなどしていた。

ゼレンスキー大統領は同日夜に法案に署名。ビデオ演説で、汚職対策機関は機能し続けるが、「ロシアの影響は一切受けない。全てを浄化しなければならない」と述べた。

NABUのトップ、セメン・クリボノス氏は、ウクライナの汚職対策インフラを「破壊」しようとする試みだとして、ゼレンスキー氏に法案に署名しないよう求めていた。