【名護】大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業した25日、名護市の市街地で商店や飲食店を営む市民からは観光客の増加や経済効果に期待する声が上がった。一方、多くの飲食店や商店が集まる名護市の名護十字路周辺は午後5時ごろまで、パークのにぎわいとは対照的に、普段通りの落ち着いた空気が流れていた。

 名護十字路に面した名護市営市場には、市のシンボル・ひんぷんガジュマルのマスコットキャラクター「がじゅまる願多」とパークの恐竜をあしらった、観光客を歓迎するのぼりが雨上がりの風になびいていた。商店街や地域全体のにぎわいをつくる絶好の機会と捉えた名護十字路商店連合会が作成し、名護十字路を中心におよそ100本を掲げる予定だ。

 同会事務局の大城昭一さんはパークへの期待を示し「来場者が大勢訪れるはずなので、末永く営業してほしい」と願う。

 午後5時過ぎの十字路周辺の飲食店は料理の仕込みに追われていた。県産品を使った料理を提供している飲食店では数カ月前からパーク関係者が訪れるようになったが、店主の男性は「需要が伸びていると感じるほどではない」と話す。

 25日は予約もなく、仕込みも通常の金曜と同じ量にした。8〜9月の集客に期待しつつ「期待しすぎると裏切られるので、ほどほどにしたい」と警戒する。

 来場者がパークで非日常の体験を楽しむ一方、パーク周辺の畑では農家の50代の男性が普段通り農作業に当たっていた。男性は開業前、交通渋滞を懸念していたが、25日は普段通りの農作業ができた。だが男性の不安が消えたわけではない。台風7号の影響を挙げ「台風が過ぎてから、パークの影響がどう出るか分かるはずだ。交通渋滞が起きると作業スケジュールに遅れが出てしまう」と懸念した。