【名護】ジャングリア沖縄の開業に伴い交通渋滞が懸念されていた名護市中山の県道84号やそのほかのアクセス道路では25日、目立った渋滞は起こらなかった。開業前から地域住民の懸念事項だっただけに、住民らは安堵(あんど)の表情を浮かべたが、まだ先の見えない状況に不安を払拭できない様子だ。

 渋滞緩和のための右折帯が設置された市中山の県道84号では25日、誘導員が交通整理を行った。午前8時ごろからは、渋滞時に手動で信号を切り替えるため、県警が交通管制センターと名護署の警察官を配置。渋滞は見られなかったため、午後2時ごろまでで対応を終了した。手動での切り替えはなかった。

 パーク外提携駐車場となっているイオン名護店では、午前11時ごろ、屋上駐車場が満車状態になった。車を止めた観光客らは荷物を手に、ジャングリア行きのシャトルバスに次々と乗り込んだ。

 県道84号沿いに住む女性は「思っていたほど渋滞していなくて安心した。逆にびっくりしている」と驚きつつも、予測できない今後の来場者数に「これからどうなるか分からず不安だ。常に誘導員が立っていてくれると安心する」と話した。

 中山区の川野圭輔区長は「想像していたほど深刻な渋滞がなくて良かった。杞憂(きゆう)だったか」と胸をなで下ろした。一方で、「入場者数がどう増えていくのかは見通せない。車が常に往来していると区民も外に出づらくなる。県などにも要望して引き続き改善してもらいたい」と話した。

 名護市の名桜大学はジャングリア開業に伴う渋滞を予測し、25日から、これまで午前7時25分が始発だった学生送迎用のバスを同7時に早めて運行し始めた。8月6日までの措置で、担当者は「来週からは試験期間に入る。学生が遅刻しないよう対応したい」と話した。