米ブロードウェーなど、世界30カ国で四半世紀にわたり、愛されてきたダンスエンターテインメント「バーン・ザ・フロア(BTF)」。日本でも過去、約50万人を動員してきた舞台が25日、大阪・フェスティバルホールで開幕した。12回目の来日公演となる今回、元宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光がゲスト出演。世界トップレベルのダンサーと一体化できる踊りに加え、歌でもフル回転し、客席を盛り上げた。
作品のサブタイトル「COLOR MY HEART」の通り、生演奏のバンドや歌に合わせ、彩り豊かな個性がパワフルにひしめき合う舞台。冒頭こそバイオリンの独奏で静かに始まるが、そこからスモークに彩られた美しいペアダンス、ミラーボールの光、ギターの音色、ドラムスとさまざまな要素が重なり合い、ダンサーも増え、熱量も爆上がりしていく。
男女ダンサーともドリルのように素早い回転や、アクロバティックなリフトを見せ、ワルツにタンゴ、ルンバにサンバ、チャチャチャ、マンボ…とあらゆる踊りが怒涛のように展開。ノリノリの出演者は何度も客席降りも見せ、気づくと観客がノセられ、まるでダンスフロアに来たかのような気分に。上演中もダンサーの超絶技巧に「おおっ」と客席がどよめく場面が多く、カーテンコールでは客席が総立ちになって、〝燃える舞台〟と一体化した。
その熱気が充満した舞台で、柚香は宝塚在団中から定評のあった踊りの表現幅を広げ、歌手としても大活躍。最初は銀色のドレス姿で、不朽のジャズナンバー「フィーバー」で大人の愛を歌い、マッチョな男性ダンサーに囲まれ柔らかな動きを見せるが、女性ダンサーをリードするようなしなやかさも示し、動きや表情を巧みに変える。