2年後に復帰したものの、リハビリは6年に及んだ。現在も症状が少し残る。
「ドイツ・リートの夕べ」ではシューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフと4人の作品を歌う。ピアノは今回はミヒャエル・ゲース。テノールのクリストフ・プレガルエィエンともに何度も来日している。プログラムは最後に決めるという。
「皆がコンサートをやれば、と言ってくれました。コンサートは久しぶりです。年齢とともに声は下がっているけれど、エネルギーがあれば歌えます。その上で元気がないと歌えません。声をコントロールするのが課題です。私の学生はいろいろな国から来ます。私もイギリスやフランスなどさまざまな国で歌いましたが、お客さまは必ずしもドイツ語ができる人だけではありません。リートは心の中を歌います。その心情を分かってくれるのです。言葉のバリアはあまり考えなくていいのです」と話す。
東京での演奏会の前、長野のセイジ・オザワ松本フェスティバルで室内楽勉強会を8月1日から11日まで行う。合宿形式で白井とゲースから徹底的にレッスンを受ける。「奥志賀高原でするのですが、集中して学べる環境です」。15日は松本市でもデュオ・リサイタルを行う。
東京公演は8月18日、TOPPANホール。問い合わせは東京アーティスツ(公式サイト)へ。(江原和雄)