全国の小中学校の児童生徒1人に1台が配られている端末で、「死にたい」などの深刻な言葉が検索されていることが分かった。他にも「助けて」「リスカ(リストカット)」といった言葉もあった。小中高生の令和6年の自殺者数は529人と最多を更新しており、子供のSOSの声をキャッチし、自殺を防ぐ多方面の取り組みが急がれる。

自殺防止に取り組むNPO法人「OVA(オーヴァ)」の調査で判明。OVAは、端末で深刻な悩みに関する約5千のキーワードが検索された場合、相談窓口などの情報をプッシュ型で届けるブラウザ拡張機能(SOSフィルター)を無償提供している。

今年1〜3月、SOSフィルターを導入している端末約7万台のデータを調べたところ、SOSフィルターが表示されたユーザー数は1カ月平均1206人で、約58人に1人の児童生徒が深刻な悩みを検索していた。

最も多かった検索キーワードは「死にたい」で206人。続いて「いじめ」(200人)▽「自殺」(178人)▽「オーバードーズ」(158人)▽「ストレス診断」(94人)▽「助けて」(87人)▽「憂鬱」(77人)▽「リスカ」(73人)▽「うつ病」(69人)▽「自律神経失調症」(64人)―などだった。

一方、SOSフィルターで表示された外部リンク先をクリックしたユーザーのうち20・3%が「しんどい気持ちを抱えた人向けのWEB空間」、14・7%が「チャット相談窓口」、11・7%が「気持ちを吐き出せる掲示板」を利用していた。

同NPOは「学校で配布される端末を教育だけでなく『心の健康推進観察』や『自殺リスクの把握』に活用していくことが、政策の中でも求められている」としている。

「日本いのちの電話」

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0120−783−556(フリーダイヤル)…毎日午後4時〜9時、毎月10日:午前8時〜翌日午前8時

厚生労働省のホームページの「まもろうよ こころ」