宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士、油井亀美也さん(55)が搭乗する米スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が31日(日本時間8月1日)に打ち上げられる。油井さんが国際宇宙ステーション(ISS)に約半年間滞在する間の宇宙食のひとつに選んだのが、出身県である長野県岡谷市のうなぎ料理店「やなのうなぎ観光荘」が開発したウナギのかば焼き「スペースうなぎ」だ。
「外国の宇宙食まで把握できないので世界初とは言い切れませんが、少なくとも日本初のウナギのかば焼きの宇宙食」と、社長の宮沢健さん(48)は妻で広報担当の玲(りょう)さん(49)と笑顔をみせる。令和5年8月に古川聡宇宙飛行士(61)がISSに持ち込んだのが最初で、現在ISS滞在中の大西卓哉宇宙飛行士(49)も持ち込んだ。
独自ブランド
ウナギは独自ブランドの「シルクうなぎ」を使用。生糸の生産で知られる岡谷市内の養蚕農家が育てたカイコのサナギを配合した餌を使い、愛知県の業者に養殖を依頼したニホンウナギだ。「ストレスなく大きく育て一番おいしいタイミングで仕入れている」(健さん)
シルクうなぎのうな重をいただいた。背開きのウナギを、店独自の熟成甘ダレに2度漬けして、蒸さずにじっくり炭火で焼いたかば焼き。しっかりした肉厚の身から、あっさりと上品な味わいが伝わってきた。
スペースうなぎも、シルクうなぎを使用。無重力空間で食べやすいように一口サイズ。塩分を抑え、薄味ながら、焼いた香ばしさがあった。加圧加熱殺菌処理のレトルトパックのため、ふんわり感は少ないが、確かにウナギのかば焼きだ。