【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスで記者団から訪中予定を問われ、「そう遠くない将来に行くだろう」と述べた。5月と6月の米中閣僚級貿易協議で中国が合意したレアアース(希土類)などの輸出規制緩和を巡る対応を評価し、中国との良好な関係をアピールした。

トランプ氏は記者団に「習近平国家主席から中国への招待を受けている」と説明。他にも複数の招待を受けているとし、近く訪問先を判断するとの意向を示した。

トランプ、習両氏は6月の電話会談で互いに自国への訪問を呼び掛けた。ルビオ米国務長官は7月11日、訪問先のマレーシアで中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、首脳会談に向けた地ならしを進めた。

ルビオ氏は王氏との会談後、トランプ氏の訪中に関し「適切な日程を調整していく」と語り、実現に強い自信を示している。訪中のタイミングに関しては、韓国で10月下旬から11月初めに開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の前後などになる可能性が取り沙汰されている。

トランプ政権は覇権的な動きを強める中国への抑止力を日豪比などの同盟国と強化しているが、トランプ氏自身は習氏との良好な関係を繰り返し強調している。

トランプ氏は22日、中国がレアアース磁石の対米輸出を「記録的な量」で実施していると指摘。「中国と非常に良好な関係だ」と述べた。

中国によるレアアースなどの輸出規制緩和を巡っては当初、中国が合意を履行していないとトランプ政権が問題視していたが、首脳電話会談や閣僚級協議を通して解決を図った経緯がある。