【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】ベセント米財務長官は22日、米FOXビジネスの番組で、中国との閣僚級の関税協議を28、29日にスウェーデンのストックホルムで実施すると明らかにした。中国商務省は23日、何立峰副首相が27〜30日にスウェーデンを訪問し、米国との協議に臨むと発表した。

ベセント氏は、米中が合意した8月12日を期限とする関税措置の一時停止について、「延長する方向で調整を進めることになるだろう」と話した。米中両国は5月のスイス・ジュネーブでの閣僚級協議で、互いに関税を115%引き下げることで合意した。そのうち24%分は、8月12日まで90日間の一時停止とした。

ベセント氏は番組で、中国が製造業に関する過剰生産能力を縮小することに期待を表明した。制裁対象のロシアやイランからの原油購入に関しても議論する考えを示し、中国がウクライナを侵略するロシアを「助けている」と批判した。

中国国家市場監督管理総局は22日、米化学大手デュポンの中国法人に対する独禁法違反の疑いによる調査の手続きを一時停止すると発表した。理由は明らかにしていないが、トランプ米政権との協議を控えて環境整備を進める狙いがあるとみられる。4月上旬に調査を発表しており、米国の「相互関税」への報復措置の一環とみられていた。