オーストラリア北東部クイーンズランド州などで13日、日米欧豪など19カ国から約4万人が参加する大規模軍事演習「タリスマン・セーバー」が始まった。8月4日まで実施。インド太平洋で軍事活動を活発化させている中国を牽制する狙いがあるとみられる。
自衛隊からは約1500人と、ヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」、護衛艦「すずなみ」、輸送艦「おおすみ」が参加。水陸両用作戦訓練などを行う。
ロイター通信によると、この演習でオーストラリア軍が14日、米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を初めて実弾発射した。ハイマースはロシアの侵略を受けるウクライナも使用。中国の軍事的脅威に対抗するオーストラリアなどインド太平洋諸国に配備され始めている。
中国は昨年9月、南太平洋に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射。今年2月には、オーストラリアとニュージーランドに挟まれたタスマン海の公海上で実弾を使った軍事演習を行った。