日本に囲碁ブームを巻き起こした大ヒット漫画『ヒカルの碁』の原画展が7月4日よりスタートした。東京・池袋を皮切りに、大阪、京都を巡回する本展示は、連載当時の緻密な作画や構図、キャラクターたちの繊細な表情まで、“生の線”で味わえる貴重な機会となっている。
小畑健先生の軌跡を原画で味わう極上の展示
『ヒカルの碁』は、平安時代の天才棋士・藤原佐為の霊に取り憑かれた少年・進藤ヒカルが、囲碁という未知の世界に引き込まれ、ライバルや仲間との出会いを通じて成長していく姿を描いた作品。
原作はほったゆみ、作画は小畑健。1999年から2003年にかけて「週刊少年ジャンプ」に連載され、2001年にはアニメ化。当時の若年層を中心に囲碁人口が急増するなど、社会的なムーブメントを巻き起こした。
本展では、小畑先生による貴重な生原稿が多数展示されている。印刷物では感じられない、ペン先のかすれやホワイトの修正跡、スクリーントーンの断面、べた塗りの微細なムラといった“紙の上の気配”が、そのまま目の前に現れる。生原稿を通して、描き手の息づかいが伝わってくるような展示体験だ。
展示は原作の物語に沿って、「出会い編」「アキラとヒカル編」「囲碁部・インターネット碁編」「院生編」「プロ棋士編」「佐為のいない世界編」と、大きく分けて6つの章で構成されている。各ブロックでは象徴的なシーンを抜粋して紹介。
ヒカルの成長とともに、小畑先生のタッチにも変化が生まれており、4年間にわたる連載の軌跡を実感できる展示構成となっている。