あるディスペンサリーのタイ人スタッフはこう語る。
「タイはいつもこう。進んだと思ったら、すぐに無駄な後退をする」
「今回の再規制も“政治の都合”にすぎない。本気で取り締まる気なんてないよ」
制度だけが先行し、現場の実態とは乖離している。そんな“ねじれ”が、今のタイにはある。
大麻の「喫煙所」はどうなっている?
ただし、「大麻を吸える場所」については、以前に比べて明らかに厳しくなっている。特にホテルでは「大麻禁止」を明示する場所が増え、飲食店付近などの灰皿が置かれているゾーンでも、わかりやすく大麻禁止マークが掲げられている。
SNSにおいても非喫煙者による、「大麻のにおいが迷惑」との声が増えていたのは確かだ。ただ、これに対して喫煙者が「マナーを守ろう」と自覚的に行動することで、バランスを取ろうとする動きがある。
法律上も、「ディスペンサリー店舗内であっても喫煙スペースの提供は禁止(医療目的は除く)」とされ、法改正がされてから1〜2週間の間はほとんどのディスペンサリーで店内での喫煙が禁止されたことで、多くの観光客が困惑していた。
だが先日、とあるディスペンサリーの会員向けメッセージにはこんな文言があった。
「everything’s back in action. You know what we mean.」(もう全部元通りだよ。言いたいこと、わかるでしょ?)