日本代表は7月12日に開催されたE-1選手権の第2戦で、中国代表と韓国の龍仁ミルスタジアムで対戦。守備を固める相手にやや苦戦したものの、11分に細谷真大、63分に望月ヘンリー海輝がゴールを決め、2−0で勝利を飾った。

 6−1で大勝した香港戦から先発11人を入れ替えた難しさはあったとはいえ、とりわけ前半は攻撃が停滞。安パイなパスが多く、全体的にペースが上がらずに躍動感がなく、5バックで守備を固める相手を攻めあぐねた印象だった。

 田中聡とボランチを組んだ宇野禅斗は、その要因のひとつをこう話している。

「前半、僕たち(ボランチ)のところでもう少しタッチを少なくして、テンポよく動かしながら、前方を覗きながらサイドを変えながら、うまくコントロールしてやりたかったですけど、ちょっとステーションパスというか、各駅(停車)になってしまう感じだったので、ちょっと難しくしてしまった」

 そんな状況のなか、なんとかリズムを作り出そうとしていたのが、2シャドーの右で初先発した18歳の佐藤龍之介だった。
 
 よく動いて、2ライン(DFとMF)間でボールを引き出し、時にはワンタッチパスを駆使しながら、懸命にリズムとテンポを作り出そうとしていた。最年少の選手がそうそうできるものではない。逆に言えば、それができるからこそ、この年齢で日本代表に選出されているのだろう。

 前半終了間際には、左サイドに流れて、田中のパスを引き出し、決定機を迎える。GKに防がれ、惜しくも日本代表の最年少得点記録更新はならなかったものの、動きの質の高さが出たプレーだった。