なぜこのクオリティの選手たちがワールドカップ予選に出場していないのか。韓国の選手たちは驚いたのではないか。

 7月15日、龍仁ミルスタジアムで開催されたE-1選手権(東アジア選手権)の第3戦で、日本代表はホスト国の韓国代表と対戦。2連勝同士の“優勝決定戦”を1−0で制し、連覇を達成した。

 開始8分、決勝弾をもたらした相馬勇紀のクロス、ジャーメイン良のボレーシュート、ともにハイレベルだった。

 前者は初戦の香港戦でも、質の高いクロスで2アシストをマーク。決定的な仕事を果たしただけでなく、上下動を繰り返す活動量や局面を変えるサイドチェンジのパスも光った。

 カタール・ワールドカップを経験した28歳は、しかしその後は日本代表に定着できず、出場した試合ではそれなりに結果を残していたにもかかわらず、北中米ワールドカップのアジア最終予選では一度も招集されなかった。代表での主戦場となる左ウイングバックには、三笘薫や中村敬斗、前田大然らがいたからだ。それでも、E-1ではフル代表に相応しいクオリティを十分に発揮した。

 千金弾のジャーメインは、デビュー戦で4発と爆発した香港戦と合わせて5ゴール目となり、大会MVPと得点王を獲得。シャドーポジションで、圧巻の決定力を見せつけた。とりわけクロスに合わせる技術は抜群で、日本代表の新たな可能性を感じさせた。
 
 右ウイングバックの望月ヘンリー海輝も、攻守に躍動。192センチの長身DFがダイナミックに右サイドを駆け上がる23歳に、韓国の記者も驚嘆していた。