2025年のJ1タイトル争いの行方を大きく左右すると目された7月20日の鹿島アントラーズ対柏レイソルの上位対決。23節終了時点で柏が勝点44の首位、鹿島は同41の4位。ホームの鹿島はトップ再浮上を果たすためにも、絶対に白星が必要だった。

 その気迫は序盤から色濃く出ていた。強度の高い入りを見せた鹿島は開始5分、垣田裕暉に小池龍太と舩橋佑が寄せ、ボールを奪取。それがレオ・セアラにつながり、目の覚めるようなロングシュートで先制に成功する。

 そして、39分にキャプテンマークを巻く植田直通が左CKから打点の高いヘッドでチーム2点目をゲット。早くも2−0とリードを広げたのだ。

 ただ、最近の鹿島は前半の強度を最後まで保ち切れずに追い上げられるケースが少なくない。案の定、43分にミスから小屋松知哉の得点を許す。

 後半は柏の怒涛の攻めを受けることになる。これを守護神・早川友基を中心にしぶとく跳ね返していたが、76分、途中出場直後の瀬川祐輔の鋭い抜け出しからのゴールを浴び、2−2に追いつかれてしまった。

 直後には柏にPKを献上。これを決められていたら、完全に勝負が決していたところだったが、キッカーの小屋松が痛恨の失敗。そしてタイスコアで迎えた90+4分、柏の古賀太陽のパスミスを奪った松村優太が決勝弾をゲット。鹿島が3−2で勝利した。

 鹿島は柏を相手に“シーズンダブル”を達成。同日にファジアーノ岡山をくだして首位に躍り出たヴィッセル神戸に、2ポイント差の暫定2位に浮上した。
 
 一方の柏は3位に転落。それでも勝点で鹿島に並んでおり、彼らもまだまだタイトルは十分に狙える状況なのは間違いない。