国内組だけでE-1選手権に挑んだ日本代表は、3戦全勝で見事に大会連覇を飾った。

 ここからフルメンバーの森保ジャパンに招集されて、欧州組と共演したら面白い選手は誰か。また、2022年のE-1選手権での活躍からカタール・ワールドカップのメンバー入りを果たした相馬勇紀や町野修斗のように、来年に迫った北中米W杯の日本代表に選ばれる選手が出てくるのか。

 W杯予選から継続的に招集されている長友佑都と大迫敬介、前回のE-1選手権MVPでカタールW杯のメンバーでもある相馬を対象外に、3人を厳選した。

 まず1人目はアビスパ福岡の安藤智哉だ。190センチのサイズに加えて、空中戦と地上戦の両方で、デュエルの強さを発揮する。前から積極的にボールを奪いにいく守備は3バックでの起用にピッタリだ。E-1選手権では右CBだったが、左側でもプレーできる。ビルドアップにも特長があり、長短のパスだけでなく、前にスペースがあればどんどん持ち上がってチャンスの起点にもなれる。そこからゴール前のフィニッシュに関わることも可能だ。

 森保ジャパンの3バックは可変性が高いシステムだが、試合の状況によっては後ろに重たくなりやすい。安藤の前向きな守備と攻撃参加はチームの矢印を前に向けるトリガーになりうる。ヘディングの強さを活かしたセットプレーの得点力も欧州組の主力に勝るとも劣らない。J3からの叩き上げであり、日の丸をつけるのは2018年に、U-19日本代表に選ばれて以来だったが、全く物おじすることなく特長を発揮しており、メンタリティの部分も問題なさそうだ。
 
 続いて、2人目はサンフレッチェ広島のジャーメイン良。香港戦(6−1)で4得点、韓国戦(1−0)で決勝ゴールをあげて、得点王とMVPの個人二冠を獲得した。代表デビューが30歳という“オールドルーキー”ではあるが、ストライカーとして明確な結果を出したという意味でも、どこかで1度は招集されるべき選手の1人だろう。特に9月は毎回、欧州組が新天地で序列が上がっていなかったり、コンディションが整わない選手が多く、森保一監督も頭を悩ませることが少なくない。そこで空いたFWの枠に収まる形で、チャンスをもらってもおかしくない。