さて、サバイバルへ加わっていくのは誰か。

 韓国、中国、香港とのE-1選手権に臨んでいた日本代表が3連勝で優勝を飾った。6-1と大勝した香港戦、2-0で勝利した中国戦は国際Aマッチの空気感にほど遠かったが、7月15日に行なわれた韓国戦は18,000人を超える観客が集まった。「テーハミングクッ!(大韓民国)」の声援がスタジアムを包んだ。

 日本人サポーターの声も聞こえていたものの、日本のゴール前へクロスが入るたびに歓声と悲鳴が交錯した。今大会で国際Aマッチデビューを飾った選手が多く出場しているなかで、アウェーの重圧をはねのけた1-0の勝利は評価されていい。


相馬勇紀はE-1選手権3試合で3アシストを記録 photo by Sano Miki

 北中米ワールドカップへ向けたロードマップにおいて、今大会は「国内組の戦力発掘」という位置づけとなる。海外組の招集が可能となる9月以降の活動に、新たに組み込んでいきたい選手が現われるかどうか。それこそが、実は結果をも上回る論点だったと言っていい。

 海外組を含めたチームで、新戦力の登場が望まれるのはセンターバック(CB)だ。冨安健洋(前アーセナル)が長期の戦線離脱を強いられているうえに、伊藤洋輝(バイエルン)も昨年からケガを繰り返している。3バックの候補者全員がトップフォームで競い合う状況から、長く、長く遠ざかっている。

 そこで、今回のE-1選手権である。

 現在の主戦術となっている3-4-2-1で、荒木隼人(サンフレッチェ広島)、古賀太陽(柏レイソル)、安藤智哉(アビスパ福岡)の3人が香港戦と韓国戦に先発出場した。植田直通(鹿島アントラーズ)と綱島悠斗(東京ヴェルディ)は中国戦のスタメンに名を連ね、長友佑都(FC東京)と3バックを形成した。

 所属クラブでCBを任されている5人は、いずれも持ち味を発揮した。彼らの出来にはっきりとした違いはない。そのなかで、9月以降の活動に招集するとしたら──。

 安藤が浮上するのではないだろうか。