アメリカには、素晴らしい野球映画が何本もある。

 メジャーリーグで黒人選手がプレーする道を開いたジャッキー・ロビンソンの生涯を描いた『42 〜世界を変えた男〜』、アスレティックスのゼネラルマネジャー、ビリー・ビーン(演:ブラッド・ピット)が新しいセイバーメトリクス理論を駆使し、年俸の低い選手ばかりで地区優勝を果たす『マネー・ボール』、マイナーリーグのチームと選手たちに愛情を注いだケビン・コスナー&スーザン・サランドンのラブコメディ『さよならゲーム』、30年以上優勝から遠ざかったダメ球団クリーブランド・インディアンス(現ガーディアンズ)が、奇跡的に勝ち進むというドタバタコメディ映画『メジャーリーグ』、リトルリーグの子供たちが頑張る『がんばれ! ベアーズ』、第二次大戦中にメジャーの選手たちの多くが兵隊となって戦地へ赴いた間、女子野球リーグで頑張った女性選手たちを描いた『プリティ・リーグ』(マドンナも出演しましたね)、そして古くは2130試合連続出場の大記録を打ちたてた大打者ルー・ゲーリッグの生涯を描いた『打撃王』(原題は『プライド・オブ・ヤンキース』。この映画は主人公役を演じたゲーリー・クーパーの名演技と、ベーブ・ルース本人の友情出演もあって、引退試合での「私は世界一幸せな男です」という有名なシーンが、本物の引退の挨拶以上に多くの野球ファンの記憶に残っているとも言われている……)。