第107回全国高校野球選手権神奈川大会は27日、横浜スタジアムで決勝が行われ、横浜が昨夏王者の東海大相模を11−3で破り、3年ぶり21度目となる夏の甲子園大会出場を決めた。春の甲子園選抜大会を制した横浜は、春夏の全国制覇を目指す。

◆東海大相模が3ランで先手を取ったが…

 三回裏、東海大相模は、中村龍之介選手(3年)の右翼席に飛び込む3点本塁打で先制。そのままゲームを優位に進めるかとみられたが、四回表、横浜は奥村頼人選手(3年)の右越え2点本塁打などで一気に4点を取り、逆転。その後も効果的に得点を重ね、試合を優位に進めた。

 破れた東海大相模の柴田元気主将(3年)は「さすが、横浜だなと思った。くやしいが、自分たちが持っている物を全て出し切れた。この仲間と高校野球ができたことが財産」と話した。原俊介監督も「横浜は強かった。すぐに得点を返されてしまい、リズムに乗れなかった」と話していた。

 全国選手権大会は8月3日に組み合わせ抽選会が行われ、同5日に甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。(加藤文)

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◆横浜 主砲・奥村頼人の2ランから怒濤の反撃

 スタンドを埋めた観衆、ライバルに底力を見せつけた。横浜の村田浩明監督、選手たちは「全員野球ができた」と声をそろえ、誇らしげに胸を張った。

 準々決勝、準決勝に続いて、相手に先制を許した。だが、ベンチは落ち着いていた。村田監督は「長い旅だ。まだこれから。チャンスは必ず回ってくる」と説いた。そして、その言葉を信じられるだけの力を蓄えてきたという自負が、監督にも選手にもあった。