米国・AEWの人気選手で、プロレスラーとして初めてエベレスト制覇に成功したダービー・アリン(32)が、リングに〝下山〟して話題になっている。

 2019年からAEWマットに上がり、TNT王座やAEW世界タッグ王座を獲得するなど活躍。日本では23年1月のノア横浜大会で、ラストマッチに臨んだグレート・ムタのタッグパートナーをスティングとともに務めたことで知られる。

 アリンは昨年にエベレスト登頂を計画したが、試合中のケガで一度は断念した。だが、今年に入って正式に準備を再開。エベレスト登頂では、200人を超える登山家が命を落としてきたとされる。困難極まりないチャレンジだったが、アリンは経験豊富で著名な登山家が参加したチームとともに4月8日から山頂へアタックを開始し、5月18日に世界最高峰を制覇した。

 インド紙「タイムズ・オブ・インディア」によると、アリンのエベレスト登頂は「プロレスラーとして初めて、この偉業を達成した」。さらに標高約6400メートルの地点ではスケートボードのトリック「キックフリップ」を決めており〝世界記録〟も樹立した。歴史に名を残す快挙を達成したが、登頂より危険とされる下山が待っていた。
 
 そうした中、12日(日本時間13日)に行われたビッグイベント「ALL IN TEXAS」(テキサス州アーリントン)のメイン戦、AEW世界王者ジョン・モクスリー vs アダム・ペイジの王座戦の最中に電撃登場。何と会場のグローブライフ・フィールドの天井から、ロープを使ってリングのエプロンに降下。エベレストの頂上から一気にホームリングに帰還してみせた。

 さらにモスクリーのセコンド陣で、遺恨のある「デスライダーズ」と対峙。コーナーから必殺のコフィンドロップを決めてなぎ倒し、ペイジの世界王座奪取を援護した。16日(同17日)の「DYNAMITE」でも、試合後にペイジがモクスリーらデスライダーズから暴行を受けているところで、会場のバルコニーに姿を現し、デスライダーズへの敵対意識をあらわにした。

 世界最高峰を極めたアリンはもちろん、リング内でも最高峰王座取りに挑んでいくようだ。