スパーキングレディーカップ2025
[JpnⅢスパーキングレディーカップ=2025年7月9日(水曜)、川崎競馬場・3歳上牝、ダート1600メートル]
川崎競馬場で10日に行われた第29回スパーキングレディーカップ(JpnⅢ、3歳上牝、ダート1600メートル)は、2番人気に推された大井所属のフェブランシェ(牝5、藤田輝)が1分41秒4(良)で押し切り勝ち。ダートグレード初制覇を飾った。
1馬身半差の2着に5番人気のライオットガール(牝5、中村)、さら2馬身半差の3着に1番人気のテンカジョウ(牝3、岡田)が入った。勝ち馬はJpnⅡレディスプレリュード(大井1800メートル、10月7日)への優先出走権を獲得。勝った藤田輝信調教師(49)は地方重賞36勝目にして、うれしいダートグレード初勝利となった。
南関東の牝馬重賞路線に敵なしの力は本物だった。好発を切ったフェブランシェは逃げたニシノカシミヤを見つつ、2番手からリズムよく運んだ。吉原寛が抑えながら御しつつ3コーナーではスピードの違いで先頭へ。直線に入っても脚色は衰えず、最後はやや遊ぶそぶりを見せながらも勝ち切った。
吉原寛は川崎重賞11勝目にしてこのレースは初V。「すごくいい走りをしてくれてうれしいです。物見をするところがあって進みが難しくなったりで、抑えるとまた引っかかって難しいですけど、上手に走ってくれました」。それも名手の腕があったからこそだろう。「斤量差がありましたし、55キロを生かして早めに抜け出したいと思っていました」。まさにその通りの競馬での完勝だった。
数々のタイトルを獲得してきた藤田師は、意外にもこのレースがダートグレード初制覇。「とてもうれしいです。かなり難しい展開になると思ったので吉原騎手に任せました。他の馬より軽いので勝ってくれという気持ちでした。『マイルまでかな』とジョッキーも言っているので、この後はオーナーと相談して決めていきたいと思います」
フェブランシェは5歳にして交流重賞を初制覇。半姉スルーセブンシーズが宝塚記念2着、凱旋門賞で4着と好走したのが同じ年齢だった。まだまだ成長している印象すらあるだけに、秋にはさらに強い姿を披露してくれるに違いない。 (山川洋暁)
著者:東スポ競馬編集部