「最近、疲れやすくなってきた」「将来、寝たきりにならないか不安だ」「介護で家族に迷惑をかけたくない」――こんな不安をもっていませんか?

年をとって体が変わることなんて当たり前。それでも、大丈夫、心配いりません。高齢医学を専門とする精神科医、和田秀樹氏の著書『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』では、変わっていく自分の体をどう受け止めて、どう対処すればよいのか、いつまでも元気で長生きするために身につけてほしい習慣について指南しています。一部を抜粋・編集してお届けします。

心と体はつながっている

私の本業は、高齢者を専門とする精神科医です。

アンチエイジングや内科診療について書いたり話したりすることもありますが、アンチエイジングは自分の老化予防のため、内科はあまりに高齢者に対する治療がステレオタイプであまりにひどいと思うので勉強を続けているだけで、本職はあくまでも精神科医です。

精神科医として高齢者の心の問題を取り上げているのは、高齢になるほど心と体の結びつきが強くなるためです。要するに高齢になるほど、心が弱ると体も弱りますし、逆に体が弱ると心も弱ってしまうのです。

精神神経免疫学という分野においては、かなり前から、心の状態が悪くなると免疫機能が低下することは問題になっています。

ある研究では、うつ病になるとNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が半分程度に下がるとされています。