物価高のこのご時世に、探してみました「100円グルメ」。一体どう実現しているのでしょうか?

100円グルメ、どうやって実現?

 チャーハンも、都内で見つけたナポリタンも。物価高のこのご時世、探してみたらありました。めくるめく、100円グルメの世界。

御食事処 よしざわ
御食事処 よしざわ

 番組取材班が向かったのは、山梨県山中湖村。店内に入ると、そこにはショーケースに並んだ品々が。26年前に創業した「御食事処 よしざわ」です。

 自慢のチャーハンが100円、天ぷらが100円、こだわりの卵焼きも100円。ランチの時間帯、麺類以外、そのほとんどが100円なんです。

 こちらの客は、天ぷらの盛り合わせに、唐揚げ、卵焼き。後から味噌汁も追加して全部で550円です。

八王子市から(60代)
「昔っぽくて好き。昔の食堂、安い」
これだけ取っても合計600円
これだけ取っても合計600円

 他にも例えば、チャーハン、唐揚げ、チキンカツ、てんぷら盛り合わせなど、これだけ取っても合計600円です。

常連客(20代)
「唐揚げが一番うまい。全部うまいっすけどね」

 店を切り盛りしているのは、芳沢健さん(72)・ふじ美さん(68)ご夫婦。

健さん
「始めたころは、唐揚げの鶏肉の値段が今の半分。今はたくさん売らないともうけが出ない」
「(Q.(利益は)ないんですか?)まぁ多少ね、ありますよ」
芳沢健さん
芳沢健さん
ふじ美さん
「(Q.多少ある?)ほぼない」

 100円グルメ、どうやって実現?その答えはランチ終了後にありました。

健さん
「(Q.どこに向かう?)河口湖のホテル。勤務先」

 実は芳沢さん夫婦、県内のホテルに勤務しながら店を切り盛りしていたのです。

県内のホテルに勤務しながら店を切り盛り
県内のホテルに勤務しながら店を切り盛り
「違う所でやったほうが楽しい。毎日でも食べてほしい。安くておいしいねと言われるのが一番うれしい」

 食堂の経営は、別の場所で自ら働いてカバー。

「(Q.値上げはしない?)迷っているけど、迷ったらしないほうがいいかな。迷うんだったら」

復活“百縁”ラーメン

“百縁”ラーメン
“百縁”ラーメン

 100円グルメは東京にも。復活の“百縁”ラーメンです。JR八王子駅のすぐ近く、商業施設のテラスにその店はありました。軒先には「100円は100縁なり」の文字が。

 続々と訪れる客は、皆びっくり

あり得ないですよね。ラーメン1000円の時代ですから。100円なんて絶対ありえない」
醤油(しょうゆ)ラーメン
醤油(しょうゆ)ラーメン

 あり得ない一杯が、こちら。うまみを研究し作ったスープに、80グラムの自家製麺。これが100円の「醤油(しょうゆ)ラーメン」です。気になるお味は…。


「強すぎるくせもなく、さっぱりしていておいしい」

 1000円するラーメンも少なくないこのご時世、なぜ100円ラーメンなのでしょうか。

100圓ラーメン 青木崇浩オーナー
100圓ラーメン 青木崇浩オーナー
100圓ラーメン 青木崇浩オーナー
「(35年くらい前に)少年野球チームに所属していた。練習終わった後に友達と一緒に100円玉を握りしめて、西八王子の満福亭というラーメン店に行っていた」

 地元から愛され、惜しまれつつ15年ほど前に閉店した、100円ラーメンの名物店。その常連だったオーナーが、記憶をたどり、当時の100円ラーメンを再現したのです。


「学生の頃100円ラーメンにかなりお世話になった」
青木オーナー
「同じです。それで僕は、復活です」

「子どもに食べさせたくて連れてきた」
青木オーナー
「おいしかった?」

「めっちゃおいしいです」
青木オーナー
「うれしい。また来てね」

 採算はとれているのでしょうか。例えば、このタマネギ。

青木オーナー
「一番近い業務スーパーで、一番安いもの」
一杯の原価が70円以内になるよう調整
一杯の原価が70円以内になるよう調整

 ラーメンに乗せる具材はそれぞれ5円〜10円。スープは20円、麺は20円と、一杯の原価が70円以内になるよう調整しているといいます。しかし、仮に100杯売っても利益は3000円。家賃や人件費はどう賄っていくのか。その解決策がありました。

「100円ラーメンを復活させて、多くの人から企業広告を得られないだろうか」
オーナーの帽子に…
オーナーの帽子に…

 企業広告です。

「『新しい経営スタイルでラーメン屋ができないだろうか』僕の一つのチャレンジ。毎日のように行列ができて、たくさんの企業広告が入るように」
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