20日に行われた参議院選挙。石破総理自らが設定した勝敗ラインである“自公で過半数”を割り込み、衆議院に続いて、参議院でも少数与党となりました。 歴史的敗北から一夜。自民党は21日正午ごろから、臨時役員会を開きました。 つまり、今後も総理の座に留まり続けるということ。その後、総理公邸に公明党の斉藤代表を招いて党首会談を行い、引き続き、両党で政権運営にあたる方針を確認しました。 そして、石破総理は、午後2時ごろから会見を開き、続投する考えを正式に表明しました。 国政選挙で連敗した総理が続投するのは、極めて異例です。 落選した議員からは、厳しい声が上がります。 あまりの逆風の強さからか、鈴木宗男氏に至っては、開票が終了する前に敗北を悟り、涙ながらに引退を宣言。しかし、その後、当選の報がもたらされ、事務所は騒然としました。 これは特殊な例。全体では、改選前の52議席を39議席に減らす大敗です。 そもそも、“敗軍の将”が居座り続けることに疑問の声を上げ続けてきたのは、他ならぬ石破総理自身です。 2007年の参院選。自民党は、初めて参議院で、第一党の座を明け渡す惨敗を喫しますが、当時の安倍総理は続投を表明しました。 当時の言葉は、いまの自分に跳ね返ります。 そのうえで、石破総理が続投の理由として、繰り返したのが、この言葉です。 大敗とはいえ、自民党は今回、各党の中で最も多い39の議席を獲得しています。これが“比較第1党”の意味するところ。その責任があるというのです。 会見から約3時間後。自民党の河野選対委員長代理が、SNSに森山幹事長の続投を批判する内容を投稿しました。 “石破おろし”の予兆なのか。本人に、真意をたずねました。 自民党に残る唯一の派閥『麻生派』に所属する河野氏。 総裁選で石破総理と争った議員からも声が上がりました。 総裁選で決選投票にもつれ込んだ高市氏は、選挙戦の終盤、早くも次への意欲を示していました。 有力議員が多い山口県。 党本部は、参院選を総括する両院議員懇談会を、31日に開催することを決定。議決権がある会議ではありませんが、この場で、石破総理の続投方針に理解を得られるかが、今後の大きな焦点となりそうです。
「『まずは目の前のトランプ関税など、やるべきことがある。その責任を果たしていきたい』という話があった」
「我々も石破政権に協力し、政権を運営したい」
「我が国は、いま、米国の関税措置、あるいは物価高、あす起こるかもしれない首都直下型地震、あるいは南海トラフ、そのような自然災害、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境。国難ともいうべき厳しい状況に直面しています。厳しい状況のなかにあって、いま、最も大切なことは、国政に停滞を招かないことであります。今般の選挙結果に対する重大な責任を痛感しながらも、政治を停滞させないよう、漂流させないよう、地方の皆様方の声も、丁寧に真摯にお聞きしながら、比較第1党としての責任、国家国民の皆様方に対する責任を果たしていかねばならないと考えています」
「結果については、トップが責任をとるのが、組織の常道だと思うので、総裁自ら判断をしてもらいたい」
「目に見えない力に生かされました」
「党総裁としての責任をはっきりさせていただかなければ、たくさんの我々の仲間が、今回、落選していますが、彼らにとっても、その責任を果たすことをやっていただかないと、これは泣くに泣けない」
「『私の使命だ』と何度もおっしゃったが、民主主義国家における指導者というのは、主権者たる国民が『あなたやりなさい』ということがあって、初めて使命を果たすということになる。国民は『あなたにやってもらいたいとは思いません』と言ったんじゃないか」
「(Q:2007年惨敗の際、安倍総理に『辞めるべき』『自民党が終わる』と指摘。このときに比べて、今回の判断は、自分に甘いのではないか)総裁が続投されるのであれば、なぜなのかということを説明し、我々、議員のみならず、党員、国民の皆様方の広いご理解をいただくことが必要だということを申し上げたもの」
「“比較第1党”という議席をちょうだいいたしました、ありがたいことでございます」
「比較第1党ということをことさらに強調するつもりはございませんが、多くの方々のご支持をいただいているということも、それは責任として、自らよく自覚をしなければいけないと。(Q.続投される考えだが、現執行部は誰も責任を取らずに続投か)現時点において、人事について考えを持っているわけではございません。皆で全身全霊、誠心誠意、選挙に対応してまいりました。あるいは、国会対応にも万全、全力を尽くしてまいりました」
「木原誠二選対委員長に、私の委員長代行の辞表を預けました。選挙の責任者である幹事長が、まだ辞表を出していないのはおかしい。こういうところから直していかないと、自民党の再生はありません」
「(Q.委員長代行の辞表を預けた真意は)私の辞表は、代行の辞表ですから、木原委員長に出しましたが、『選対委員長が辞表を出すときには、幹事長と一緒に辞めてください。幹事長の首もとって辞めてください』という話をした。総選挙・参院選と、国政選挙で2回惨敗している。幹事長が、昨日の晩に、結果が出るなかで、お辞めにならないのは、極めておかしい。ここから改めないと、自民党の再生は難しい」
その麻生派は20日夜、所属議員が集まり、情勢を分析しています。麻生氏は周囲に「石破総理の続投は認めない」と話していて、今後、大きな政局につながる可能性があります。
「きょうも外交の話が、総理の会見で出ていましたが、そもそも外交のベースとして、過半数がない状況に置かれた政権は、足元を見られるので、外交というのは内政なんですよ。当然、今回の選挙結果は、外交的にもマイナスに働くわけです」
「自民党に一本背骨をどんと入れなおす。それをしないと、本当にしないと多くの皆さんに対して申し訳ない、そういう思いでいます」
「記者会見を見て、強烈な違和感を感じました。いかにも比較第1党として、自分が信任をうけたような話をしていました。これは、詭弁をろうしていると思いました。しっかりとした責任とるべきです。(Q.責任とは)石破総理が第1次安倍政権のときに、安倍総理に言ったことと同じことです」
かつては“敗軍の将”を批判も…自民大敗も総理“続投”へ 自ら語った理由

自民党 木原誠二選対委員長
公明党 斉藤鉄夫代表
石破総理
自民党 佐藤正久参院議員
自民党 鈴木宗男氏
自民党 西田昌司参院議員
石破議員(2007年)
石破総理
石破総理
石破総理
河野太郎氏のX
自民党 河野太郎選対委員長代理
自民党 小林鷹之衆院議員
自民党 高市早苗衆院議員
自民党山口県連 友田有幹事長
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