2025年8月1日より、羽田空港の駐車場「P1」および「P4」の駐車料金が値上げされることはすでに伝えていましたが、「P2」「P3」についても同年8月8日より同様に値上げされることが明らかになりました。
「P2/P3」も「P1/P4」と同じ料金体系に変更される
2025年7月8日、羽田空港の第1ターミナルに直結する「P2駐車場」、第2ターミナルに直結する「P3駐車場」の駐車料金が値上げされることが明らかになりました。
羽田空港は、同年6月30日に公式サイトの「空港からのお知らせ」で「P1駐車場」「P4駐車場」の料金改定を発表していますが、P2およびP3駐車場の料金については、この記事を執筆している7月20日時点では、公式サイトになんら言及がありません。
しかしP2およびP3駐車場を運営する「空港振興・環境整備支援機構」の公式サイトでは、これらの駐車場は8月8日(金)の午前0時以降に入場したクルマから、あらたな料金体系になると告知されているのです。
値上げの理由について、同機構は「国土交通省が2025年3月24日に開催した『第4回 羽田空港の機能・施設等に関する検討会』において、今後の検討課題とされた内容を踏まえ、混雑状況に応じて上限料金の見直し等を行った」としています。
これは先に値上げが発表されたP1およびP4駐車場と同様の理由で、駐車料金を値上げすることにより、クルマでの空港アクセスを抑制し、公共交通機関利用へのシフトを促そうというものです。
値上げの中身についても、すでに発表されたP1およびP4駐車場と同一です。
これまで「入場から30分まで無料」「入場から1時間まで300円」「以降、30分ごと150円」だった時間あたりの料金(普通車、以下同)は、「入場から30分まで無料」「30分を超え8時間まで30分ごと200円」「8時間超え72時間までは1時間ごと150円」「72時間超えは1時間ごと100円」となります。
また24時間あたりの上限料金は「通常期1530円、多客期(ゴールデンウィーク/夏季/年末年始)2140円」が、「入場から3日目までは通常期2800円、多客期3400円」「入場から4日目以降は通常期2000円、多客期2400円」となります。
つまりこのあらたな料金体系は、基本的には見送り、出迎えなど短時間の駐車となる利用について値上げ幅を抑えつつ、空港から飛行機を使って出かける人が主なターゲットとなる「24時間あたりの上限料金」が大幅な値上げとなります。そしてこの施策により、長時間の駐車を抑制し、現在の慢性的な混雑状況を改善しようという意図が見てとれます。
このP2およびP3駐車場の値上げ発表は、P1およびP2駐車場の料金改定時に十分に想定されていたことで、これでP1〜P4駐車場の料金は“足並み”が揃うことになります。ただし、値上げの時期は、1週間ずれることになるので要注意です。
8月1日から7日の1週間は「P1」「P4」よりも「P2」「P3」のほうが安い
すでにご案内したように、P2およびP3駐車場の料金改定は8月8日(金)午前0時の入庫から対象となりますが、P1およびP4駐車場の料金改定はそれより早く、8月1日(金)午前0時以降からとなります。

そのため、8月1日(金)から8月7日(木)までの1週間は、P1およびP4駐車場よりも、P2およびP3駐車場のほうが大幅に安いという、隣り合った駐車場での“二重価格”での運用となるのです。
この価格差は、泊まりがけの旅行での長時間の利用では顕著になります。
たとえば8月2日(土)の早朝に羽田空港を出発し、4日(月)の夜遅くに戻ってくる利用者の場合、値上げが行われたP1およびP4駐車場では「3400円×3」で1万200円になるのに対し、値上げ前のP2およびP3駐車場では「2140円×3」で6420円と、3780円も安くなるのです。
そのためこの期間中に駐車場により価格差があることを知っている人は、第1ターミナル利用ならP2駐車場を、第2ターミナル利用ならP3駐車場を、それぞれ迷わず目指すはずです。
そのため、週末にかかる8月1日(金)〜3日(日)は、通常であれば6時台前半まで空きがあるP2およびP3駐車場は、5時台で満車になってしまうかもしれません。
またふだんなら満車になりにくい週前半の月〜木、つまり8月4日(月)〜7日(木)も、P2およびP3駐車場だけが満車になる状況も考えられます。
この期間に羽田空港から出かける予定があり、駐車料金を節約したい人は、早め早めの行動が必須ではないでしょうか。
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なお、これでP1駐車場からP4駐車場までの値上げが発表されましたが、第3ターミナル(旧国際線ターミナル)に直結しているP5駐車場については、いまだ値上げのアナウンスがありません。
P5駐車場は現在、1日上限料金が3日目まで2140円、4日目から1530円とP1〜P4駐車場よりも高く設定されている一方、P1〜P4駐車場とは異なり多客期料金は設定されていません。
今回のP1〜P4駐車場の値上げにより、1日上限料金はP5駐車場がもっとも安くなるため、第1ターミナルおよび第2ターミナルの利用者でも、あえてP5駐車場にクルマを入れ、第3ターミナルから無料シャトルバスでそれぞれのターミナルに移動することが考えられます。
しかしP2およびP3駐車場の料金改定が予想どおりだったように、P5駐車場も国土交通省の検討会の結果を受け、値上げに踏み切ることは確実ではないでしょうか。
ただ「大きな荷物を持って移動する人がいる」「公共交通機関の動いていない深夜や早朝でも、発着便がある」という空港ならではの特殊事情を考えると、混雑対策を値上げだけに頼るのではなく、空港敷地外にあらたに長期間利用者向けの駐車場を整備し、シャトルバスでの輸送を行うといった施策が臨まれるのではないでしょうか。