梅雨が明け、うだるような暑さが続く季節。Tシャツに浮かぶ汗染みに悩んでいる人は多いかもしれない。そんな悩みを解決するのが、おたふく手袋株式会社が開発した「FUBAR 汗染み軽減オーバーサイズTシャツ」(以下、「汗染み軽減Tシャツ」)だ。

汗染みが目立たない機能で注目を集める同製品には一体どんな秘密があるのか?同社マーケティング部の徳永智彦さんに、開発の背景やおもに着用されるシーンについて話を聞いた。

汗染みを目立たなくする驚きの手法とは...
汗染みを目立たなくする驚きの手法とは...


■偶然から生まれた「汗染み軽減Tシャツ」
昨今、繊維業界では鉱物を糸に織り込む技術が注目を集めている。冬物衣料では、鉱石の粉末を入れた繊維が熱を蓄え、暖かさを提供する製品が人気だ。一方、夏物衣料では、暑さを軽減する遮熱効果の研究が進んでいる。

「遮熱性を追求するなかで、思いがけず布が濡れていないように見える現象を発見。鉱石の粉末が光を乱反射することで、視覚的な錯覚を生む仕組みだったのです。これが『汗染み軽減Tシャツ』の開発のきっかけとなりました」

最大の難関は、汗染みを目立たなくする機能と、汗を素早く乾かす性能を両立させることだった。「従来の汗染み対策は、撥水加工で水分を表面に留める方法だったが、乾きが遅いという課題があった。作業現場では迅速な乾燥が不可欠なため、これは大きな問題でしたね」と徳永さんは振り返る。

「さらに、速乾性を高める薬剤が光の乱反射効果を損なう問題に直面しました。鉱物の配合量や加工方法を微調整し、試作を繰り返して最適なバランスを探っていったのです。一方で、競合他社に先駆けるため、かなりタイトなスケジュールで完成させる必要がありました...」