この記事をまとめると
■筆者の山崎元裕氏さんはスーパーカーブームを体験したひとりだ
■当時憧れだったスーパーカーたちを実際に運転した経験がある
■乗ってみると想像と違ったモデルたちをピックアップする
憧れのクルマに乗ってみたら……あれ?
かつて1970年代の中盤に、日本がスーパーカーブームで熱狂したころ、憧れたモデルは数多くあった。もちろん当時の自分は中学生であったから、それを運転することはできず(当然のことながら貸してくれる人など、いくら探してもいなかっただろう)、スーパーカーショーや、あのころはいまとは比べ物にならないほどに発行されていたスーパーカーの雑誌や、TV番組を食い入るように見るのが、さまざまな情報を見る唯一の方法だった。
そしてブームは1977年の夏を頂点に過ぎ去り、多くの仲間はスーパーカーをいつかドライブするという夢など忘れてしまった。それでもなおスーパーカーの世界に執着したのがオレという人間であり、自動車雑誌のバイト小僧に始まり、編集者を経て、ジャーナリストになった。そして長年の努力ののちに、スーパーカーのステアリングを握るという夢を、叶えることに成功したというわけなのだ。
ところが例のスーパーカーブームから20年ほどを経て乗ってみた当時のモデルのなかには、想像していたスーパーカーの魅力というものとは異なる性格のモノもいくつかあった。
その筆頭に掲げられるのが、ブームの火付け役である池沢さとし(当時)先生作の「サーキットの狼」で主役の風吹裕矢が乗るロータス・ヨーロッパだ。