外国産の鶏肉を国産と偽って学校給食の食材向けに納品したとして、警視庁は27日、東京都新宿区の食肉購入販売会社「並木商店」社長の男(41)(新宿区)、小金井市の食肉販売会社「MRフーズ」元社長の男(44)(八王子市)の両容疑者を不正競争防止法違反(誤認 惹起 )容疑で逮捕したと発表した。逮捕は25日。
警視庁
発表によると、2人は共謀して昨年11月、3回にわたって外国産の鶏肉を宮崎県産と偽り、府中市の市立学校給食センターに計約211キロ(販売価格29万5400円)を納品した疑い。
食肉購入販売会社長は「国産」を条件とする府中市の入札に参加して落札し、取引先の食肉販売会社元社長に鶏肉の調達を依頼していた。同給食センターに納品された鶏肉は、南米や東南アジア産で、食肉販売会社元社長が自社の食肉加工責任者だった女(44)に納品書の偽装などを指示していたという。鶏肉は調理後、府中市立の小学校22校で提供されていた。
食肉購入販売会社長は2021年7月〜昨年12月、MRフーズを介して同給食センターに鶏肉計約42トン(同計4800万円)を納品していた。外国産は国産より安価で、警視庁は産地偽装で利益を上げようとしたとみている。
同庁は26日、食肉加工責任者だった女についても同法違反容疑で東京地検に書類送検した。昨年11月、同庁に情報提供があり、府中市の検査で発覚した。
府中市の高野律雄市長は27日、「誠に遺憾。監査体制の強化を図り、再発防止に努める」とのコメントを出した。