京都市による修学旅行の誘致が功を奏し、コロナ禍で激減した修学旅行生の数に回復の兆しが見えてきた。いわゆる「観光地を巡る」スタイルだけでなく、探究学習や伝統芸能などの豊富な体験プログラムもアピール。他の自治体も誘致に取り組む中、幅広い提案ができる京都ならではの強みを生かし、学びの地として選ばれるまちの魅力発信に力を入れる。(相間美菜子)
「京都へおこしやす。歴史と文化に触れ、いつまでも思い出に残る素晴らしい体験をしてください」
修学旅行シーズンに入った5月7日、JR京都駅の構内であった歓迎式で、松井孝治市長らが、首都圏の中学3年生約340人を出迎えた。
寺社や史跡が多く、修学旅行先として全国から児童生徒を受け入れてきた市が、1997年からほぼ毎年開催してきた恒例行事。日本修学旅行協会の2023年度調査では、全国の中学の24・2%が京都を目的地に選んでいるという。
京都市は、18年度に導入した宿泊税も修学旅行生は対象外にするなど、誘致につながる施策を続けてきた。しかし19年に70万人だった修学旅行生は翌20年、コロナ禍の影響で約2割の16万人にまで激減した。
回復に向けて市が注目したのが、体験を通じて子ども自身がテーマを見つけて研究する「探究学習」だ。22年度に、SDGs(持続可能な開発目標)が学べるプログラムを開発した。市内の寺社や博物館などを巡り、琵琶湖